ストーカーと人格障害

ストーカー加害者の心理状態には、人格障害が関わっていると考えられます。簡単に言うと、人格障害とは、その人の持つ「人格」が常道から外れてしまい、社会生活に支障をきたすことを言います。

ストーカーと人格障害(つづき)

思春期や青年期、成人期早期から始まることが多く、その人格は長年に渡って定着しているため、大きな苦痛を伴います。

慢性的に精神が病的な状態にあるのですが、精神病的な「幻覚」「妄想」などの重い症状は見られません。

精神病と診断するには条件が足りないけれど、明らかに普通とは言えない精神状態です。育った環境や過去のトラウマや体験からくるものですので、その人の中に異常な人格がしみ付いてしまったものであると言えます。

この人格障害と、ストーカー行為に走る心理状態は深く関連してきます。実際に、ストーカー加害者と接する心理セラピストも、加害者の人格障害を指摘しています。

人格障害はひとつにくくられるものではなく、様々な傾向がみられるため、それぞれの特徴と名称が定められています。

その中でも、「反社会性人格障害」「自己愛性人格障害」などが、ストーカー加害者が抱えている可能性の高い人格障害だと言えます。

長年に渡ってその常道でない人格が安定してしまっているので、完全な回復は非常に困難ですし、時間は相当かかると思います。

ストーカー被害者から相談を受けるカウンセラーなども、加害者の心のケアを行っています。

対人関係が非常に不安定で激しいというのも人格障害にあてはまる特徴と言えるので、心理学の専門家との接触が望ましいでしょう。

自己愛性人格障害との関連

自己愛性人格障害の特徴は、ストーカー行為と関連していると考えられます。ストーカーは、思い切り単純に考えれば「自己中心的思考の塊」です。相手の感情や自分への批判を省みずに欲求を満たそうと強要するものです、。

自己愛性人格障害は、大きく2つのパターンに分かれるのですが、その2つには大きく差が出ます。

まずひとつは、「過剰警戒タイプ」と名の付く、ストーカーとは真逆のタイプになります。 簡単に心が傷つきやすい、他人の自分への印象や批判に敏感、引っ込み思案、目立たない努力をするなどが特徴に挙げられます。

過剰警戒タイプは、両親からの愛情を充分に受けられずに育った場合、正常な自尊心が保てずに歪んでしまうことが原因として挙げられます。

もうひとつは、ストーカー行為と結びつきやすいタイプで日本人に多いとされています。「無自覚タイプ」と名付けられるもので、多くは母親の過保護などが原因となる場合が多いようです。

他人の反応に鈍感、放漫で攻撃的、他人に傷つけられる感情を受け付けない、自己陶酔し易いなどが特徴とされます。

無自覚タイプの自己愛性人格障害は、ストーカーの特徴にぴったりと一致する部分が多くあることがおわかり頂けると思います。

自分が意中の相手にしつこくしたり、何かを強要したりしてしまうとします。そこで相手に嫌われ、「嫌いだ、会いたくない、来ないでくれ」と言われたとしても、傷つくという感覚を忘れています。

攻撃的な人格を持つことで、ストーカー行為がエスカレートする原因ともなるでしょうし、自分を誇示しすぎるのです。

また、原因となる「母親の過保護」ですが、過保護は虐待の一種とされています。子供の主張や意見を無視し、母親の感覚や思想を全て子育てに投影します。

母親と子供の中に、自立というものが存在せず、母親は子供のことを「自分の所有物」として扱っているともいわれます。

手塩にかけて育てられた、愛されていると誤解されがちですが、決して良い環境とは言い難いのです。

反社会性人格障害との関連

ストーカーと関連付けられる人格障害として、「反社会的人格障害」もそのひとつと言えます。反社会性人格障害の特徴は、ストーカーに限らず、あらゆる犯罪を引き起こしかねないという点です。

ここでは、「ストーカー行為の要因」とした見方で、反社会的人格障害についてまとめてみます。

反社会的人格障害の特徴として一番大きいのは、良心の呵責に欠けているという点です。違法行為や犯罪行為を、動揺することなく冷静に行ってしまいます。

ストーカーイメージ

ストーカーの加害者が、自分がとんでもない罪を犯しているということに気付かない特徴からも、関係性が読み取れると思います。罪悪感などを感じずに、自分の心の赴くままに行動してしまいます。

また、相手の心理を読み取って、操作する能力に長けています。ストーカー行為にあてはめて考えてみるとどうでしょう。意中の相手に振り向いてもらえない、または振られてしまったというショックな出来事に遭遇したとます。そこから、どうすれば相手の心に自分を投じられるかを考えるのです。その結果が、ストーカー行為です。

被害者は苦しんでいるけれど(苦しんでいることに気付かない場合も多い)、その代わりに被害者は自分のこと考えている(実際には怯えているだけ)時間が長くなると考えます。

憎まれても、恐れられてもいいから、自分の存在を絶対に忘れさせないような手段をとるのです。

実際に被害に悩んでいる最中は、ストーカーの存在から開放されることはなく、常に頭から離れなくなります。何をしているときでも、ストーカーへの不安が消えることはないので、加害者側としては思う壺というわけなのです。

こうして、「相手が可哀想」だとか「悪いことをしている」という現実が見えていないために、エスカレートした行動にも容易に出られるのです。

全ての加害者がこの反社会性人格障害だと決定付けることはできませんが、人格障害の要素は充分に持ち合わせていますし、あてはまるパターンは非常に多いとされています。

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